岐路に立つ製造業|日本のものづくりにおいて5S活動が果たす役割とは?

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岐路に立つ製造業|日本のものづくりにおいて5S活動が果たす役割とは?

「日本製なら安心」その言葉は、少しずつ揺らいできているのではないでしょうか?
それは、ここ数年の不正やデータ改ざん、偽装がつけた傷です。では、信頼を再構築するにはどうすればいいのでしょうか?

日本の製造業は原点に回帰する時期を迎えています。5S活動と言えば、KAIZENをはじめとする日本の製造業の根幹をなす考え方です。DX技術が進歩する現代においては、従来の5S活動も新しい切り口で攻め込む必要があるでしょう。ここでは、その考え方をご紹介します。

 

岐路に立つ日本の製造業

日本の製造業は現在岐路に立っています。すでに安くて高品質という評価は、他国に奪われ、余計な機能ばかりで割高といわれることが多く競争力を落としてきています。

それに追い打ちをかけるのが品質問題の露見です。

品質問題はここ3年で深刻なものだけで40あまりの品質問題が発生しています。しかも、それらの不正は一時的なものでないものが多いのです。この事態は組織内では常態化して、企業体質の問題になっていたといえるでしょう。

これでは、日本の製造業は信用できるとは、とても言える状態ではありません。

表-過去5年の主な品質問題

日経クロステックより引用httpS://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01707/00001/

 

日本の製造業で不正・改ざん・偽装が露見する訳とは

では、なぜこれらの事件は最近になって露見するようになったのでしょうか。いくつか理由があると考えられます。

  1. システムがシステムとして動かない組織

体制が整っていたとしても、異常時にシステムとして動かない組織は、個人の感情で判断が動かされ不正がおこりやすくなります。注意喚起や警告の意味を持つはずの異常値ですが、ただ異常値であるという事実のみに感情が動いてしまうのです。

そして、値の意味を掘り下げない体制は、個人の責任問題になりやすい体質を生みます。

 

  1. 目先の利益を優先する

目先の利益を優先すると、問題を先送りするため、最初に是正すれば済む小さな問題が、大きくなって手がつけられなくなる。

これは、何か問題があった場合個人に責任を取らせるという組織的な体質にも由来しています。

 

  1. 若い世代は会社に忠誠を誓うという意識が低く、隠ぺいに対する違和感がある

若い世代は会社に骨をうずめるという感覚は薄く、上層部が隠ぺいを指示しても、末端までは届かないことが多いようです。

また、情報を誰でも出せる時代になり、隠すことが難しくなっています。

このことは悪いわけではなく、今後製造業が活路を見出すためには大切な自浄作用だと考えられます。

 

5S活動を基盤にした日本の製造業

日本の製造業は、国民性を背景に信頼を築いてきました。その、ものづくりの姿勢を最も表しているのがKAIZENという言葉です。

KAIZEN(カイゼン)は製造業を中心として進められる業務を見直し無駄を省く活動で、トヨタ式カイゼン活動は、世界的にも浸透しています。

現状に満足せず、今よりもっと良くすることがKAIZENであり、漢字で書く改善よりも、一歩踏み込んだ考え方です。

5SはKAIZENの基本です。5SのSは、それぞれ整理・整頓・清掃・清潔・習慣をあらわしています。

整理……必要なものと必要でないものを分け、必要でないものを廃棄・処分すること

整頓……整理したものを、見やすく使いやすくすること

清掃……整理整頓した場所を、毎日清掃し、整理整頓の妥当性を検証すること

清潔……整理・整頓・清掃した場所の問題を把握し歯止めを作り、より高度に管理すること

習慣……整理・整頓・清掃・清潔の状態を習慣とし維持すること

また、この中でも「整理・整頓」は5S活動の基本中の基本です。

清掃で「整理整頓」の検証をし、「清潔」でブラッシュアップし、「習慣」づける。すべては整理・整頓を維持しブラッシュアップするための仕組みです。

第4次産業革命が進行中のいまこそ変化のとき

いま、第4次産業革命のただなかにあるといわれます。内閣府の発表した資料によると以下の通りです。

 

第4次産業革命とは、18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化である第1次産業革命、20世紀初頭の分業に基づく電力を用いた大量生産である第2次産業革命、1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いた一層のオートメーション化である第3次産業革命に続く、IoT及びビッグデータAIのようないくつかのコアとなる技術革新を指す。

こうした技術革新により、①大量生産・画一的サービス提供から個々にカスタマイズされた生産・サービスの提供、②既に存在している資源・資産の効率的な活用、③AIやロボットによる、従来人間によって行われていた労働の補助・代替などが可能となる。

企業などの生産者側からみれば、これまでの財・サービスの生産・提供の在り方が大きく変化し、生産の効率性が飛躍的に向上する可能性があるほか、消費者側からみれば、既存の財・サービスを今までよりも低価格で好きな時に適量購入できるだけでなく、潜在的に欲していた新しい財・サービスをも享受できることが期待される。

第1節 第4次産業革命のインパクト – 内閣府 (cao.go.jp)より引用

IoT及びビッグデータやAIのような技術革新によって産業が急変革を迎えている今こそ、変化のチャンスです。日本の製造業がリニューアルしやすいときといえるでしょう。

 

世界はらせん状に進化する|差別化には古いといわれるものの革新が有効

では、第4次産業革命において技術革新の差別化には何を使うべきでしょうか?

ここでヒントとなるのは、「ヘーゲルの事物のらせん的発展の法則」です。とても難しそうですが、内容は難しくありません。

これは「らせん階段」のように、古いものは周期的に復活しているという法則です。実はほとんどのトレンドはグルグルとループしているのです。スカートの長さや音楽のジャンルに至るまで、一番古いものがステップアップしたものが一番新しいことは、読者の方も感じていることでしょう。それは曼荼羅にもつながる古くからある考えです。

このことを知っていれば、次に来るものは、おのずから導き出せるのです。

 

複雑化する産業の中で5S活動が新しい

このらせん的発展の法則にのっとって考えれば、これから第4次産業革命の中では、従来のツールを進化させた考え方が新しく利用できるでしょう。その中には進化した5S活動も当然入っているに違いありません。

 

いまや5S活動はモノにとどまらない

進化した5S活動では、従来のモノに対してだけでなく、①コンセプト、②情報、③システムの3つに5S活動の範囲を広げる必要があります。この場合でも基本は「整理・整頓」です。そして、5S活動の範囲をモノ以外に広げることで、日本製品にありがちな過剰品質や品質問題も防ぐことができます。

  • コンセプト

商品コンセプトの5Sは、余計な機能を追加せず、割安感のある製品を作りだすために必要です。その商品のターゲットは誰か?ターゲットのニーズは何かをもとに5S活動をおこなえば、必要な機能を「整理」し、使いやすく「整頓」できます。

 

  • 情報

第4次産業革命は情報の革命です。情報は、AIによって意味と方向性を獲得し、時代を作ります。情報をどう「整理」し「整頓」し、どう読み取っていくかが重要です。

データの隠ぺいなどは、情報の5Sをおこない、異常値を得た場合の手順を決め、その内容にしたがって対応すれば、問題になることはありません。

 

  • システム

情報を取り扱う枠組みであるにシステムの「整理・整頓」も欠かせません。システムの妥当性を考慮し、必要なシステムだけを使う「整理」、そして、情報が効率的に使用できるように「整頓」する必要があります。そして、システム上にセキュリティ対策をルール化すれば、不正をおこす芽を小さくすることも可能です。

 

DX,ICTに生き残るためには5Sの視点が欠かせない

DXはデジタル技術をさまざまに活用して、業務プロセスを改善し、企業そのものを改革していくことです。差別化には5S活動の視点が欠かせません。

またICTは、データの利活用のことで、第4次産業革命の内容をあらわした言葉です。①データの収集、②データの蓄積、③データ分析、④分析データに基づく作動からなります。

これらすべてのステップで5Sの視点を持てば、無駄のない使いやすい選ばれる製品づくりとなり、生き残りの道も見えてくるでしょう。

 

不正・改ざん・偽装の視点を排除するシステム化とは

不正・改ざん・偽装はシステム化の5Sによって防ぐことができます。必要なシステムを使いやすく構築し、異常対応もシステム化すれば、個人の責任にばかりスポットを当てずに組織全体で対応できる問題に変換できます。一度できた体制を日常的に検証し、ブラッシュアップし習慣化する流れは5S活動そのものです。

そうすれば、もしも問題がおきたときにも、事態は小さいうちに処理されます。長年にわたる不祥事というような企業の存続を揺るがす大きな問題には発展しないでしょう。

信頼をつくる5S活動

5S活動は製造業にとって信頼をつくる活動です。それは、製品を届けるユーザーにもそうですが、作業者に対しても、場を整理整頓し、問題が正されるという自社企業への信頼にもつながります。

そして、プライドを持って働くことが、より一層信頼を生むという、正のスパイラルに繋がるのです。

 

5Sツールとしてのシステム選択

システム選択についても5S活動と捉えることができます。情報分野のイノベーションの時代には、むしろシステム選択は最も重要な5S活動ともいえるでしょう。

まとめ

日本の製造業は岐路に立っています。第4次産業革命のいま、信頼を再構築するには原点に回帰し、5S活動を拡大する必要があるでしょう。そのうちでも重要なのはシステムの5Sです。システムの5Sは信頼を回復する可能性を秘めています。

システムの5Sには、製造業専門・クラウド型 生産管理システム「鉄人くん」を一度ご検討ください。初期費用が少なくてすみますし、補助金もでますので、5S活動もスムーズに実施できるでしょう。

また、トライアルキャンペーンも実施していますので、生産管理システムの導入を検討してみたいとお考えの方は、こちらからお気軽にお問合せ・ご相談ください。

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