原価管理

オンプレミスとは?今すぐ分かる導入メリット一覧

「自社でサーバーを持つべきか、それともクラウドに移行すべきか」 この問いに頭を悩ませているIT担当者や経営者は少なくありません。本記事では、オンプレミスの基礎知識から、最新のトレンドである「ハイブリッド活用」までを網羅的に解説します。

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オンプレミスとは?わかりやすく定義・メリット・デメリットを解説

Q. オンプレミスとは何ですか?

A. 自社内にサーバーを設置し、運用する形態です

オンプレミス(On-Premises)とは、自社の建物内にサーバーやネットワーク機器を設置し、自社でソフトウェアを導入・運用する形態を指します。

英語の「Premises(構内、敷地)」が語源で、「敷地内で運用する」という意味です。2000年代半ばにクラウドサービスが登場するまでは、これが唯一のシステム構築形態であったため、当時はあえてこの用語を使う必要はありませんでした。現在では、インターネット経由でサービスを利用する「クラウド」の対義語として使われています。

【比較表】オンプレミスとクラウド(SaaS/IaaS)の違いを一目で把握

インフラの選定基準となる主要な項目を比較しました。

比較項目 オンプレミス クラウド(IaaS/SaaS)
初期コスト 高い(機器購入が必要) 低い(初期費用ゼロが多い)
ランニングコスト 固定(電気代・保守費) 変動(従量課金制)
導入期間 長い(数ヶ月〜) 短い(即日〜数週間)
カスタマイズ 自由自在 制限あり
セキュリティ 自社で完全制御 サービス事業者に依存

知っておきたい関連用語:データセンター、仮想化、プライベートクラウド

オンプレミスを語る上で欠かせない用語を整理します。

  • データセンター: サーバーやネットワーク機器を設置するための専用施設。自社内ではなく、堅牢な施設を借りて「オンプレミス」運用を行うケースも多いです。

  • 仮想化(VMware等): 1台の物理サーバー上で複数の仮想的なサーバーを動かす技術。リソースを有効活用できます。

  • プライベートクラウド: クラウドの利便性を持ちつつ、特定の企業が占有して利用できる環境。オンプレミスの進化系と言えます。

企業がオンプレミスを再評価する5つの導入メリット

1. セキュリティ・ガバナンス:機密データを自社管理下に置く安心感

最大のメリットは、データが「どこにあるか」を自社で完全に把握し、制御できることです。

クラウドの場合、データは事業者のデータセンターに保存されますが、オンプレミスなら自社の敷地内または契約したデータセンターに限定されます。外部ネットワークから完全に遮断した「閉域網」での運用も可能なため、軍事レベルの機密情報や極めて高いガバナンスが求められる業界では、オンプレミスが第一選択となります。

2. システムのカスタマイズ性:独自業務に合わせた自由な設計

クラウド(特にSaaS)は便利な反面、サービスの仕様に業務を合わせる必要があります。一方、オンプレミスはOS、ミドルウェア、ハードウェアに至るまで自由に選定できるため、長年培ってきた独自の業務フローや、特殊な周辺機器との連携を一切崩すことなくシステム化できます。

3. 通信の安定性と低遅延:製造現場やリアルタイム処理に強い

インターネットを経由しないオンプレミスは、ネットワークの遅延(レイテンシ)が極めて小さいのが特徴です。

例えば、工場の製造ラインをミリ秒単位で制御するシステムや、高精細な画像を解析するシステムでは、クラウドへの通信待ちが致命的なロスになります。現場(エッジ)で即座に処理を行うには、オンプレミス環境が不可欠です。

4. 固定コストの透明性:月額の従量課金に左右されない予算管理

クラウドは「使った分だけ払う」ため一見安く見えますが、アクセス数やデータ転送量が増えると予算超過を招くリスクがあります。オンプレミスは初期費用こそかかりますが、月々の支払いは保守費や電気代などの「固定費」が中心となるため、長期的な予算計画が立てやすいというメリットがあります。

5. 既存設備との連携:工場内の機械やレガシーシステムとの親和性

古いOSでしか動かない特殊なハードウェアや、工場内のPLC(制御装置)と連携する場合、クラウド化は技術的に困難な場合が多いです。オンプレミスであれば、これらレガシーシステムとの物理的な接続やプロトコルの維持が可能

オンプレミスのデメリット

Q. オンプレミスはコストが高いと聞きますが、本当ですか?

A. 初期投資は高額になりますが、5年以上の長期利用や大規模なデータ転送を行う場合、従量課金のクラウドよりも総額が安くなるケースが多いです。

高額な初期導入コストとハードウェアの減価償却負担

サーバー機、ストレージ、スイッチの購入に加え、設定作業をベンダーに依頼する費用など、導入時には数百万円から数千万円の多額の初期投資(CAPEX)が必要です。また、購入した機器は資産として計上されるため、数年間にわたる減価償却の管理や、5〜7年ごとのハードウェア保守期限(EOSL)に伴うリプレース計画も考慮しなければなりません。

専門知識を持つIT人材の確保と24時間365日の保守工数

オンプレミスは「自由度が高い」反面、すべての管理責任が自社にあります。 OSのアップデート、セキュリティパッチの適用、物理的な故障への対応、バックアップの実行など、高度な専門知識を持つIT人材を確保し続けなければなりません。特に地方の製造現場などでは、こうした人材の確保自体が大きな経営課題となるケースが目立ちます。

災害・停電などの物理的リスクとBCP(災害復旧)対策の難しさ

自社内にサーバーを置く場合、地震、洪水、落雷による停電などの物理的なリスクに直接さらされます。クラウド事業者のような堅牢な耐震・防火設備を自社で整えるには莫大なコストがかかります。BCP(事業継続計画)の観点から、遠隔地にバックアップサーバーを置くなどの対策が必要となりますが、これも二重のコスト負担を招く要因となります。


「オンプレミスは時代遅れ」を覆す、現代のハイブリッド戦略

なぜ今「クラウド回帰」が起きているのか?円安とコストの罠

最近では、一度クラウドへ移行した企業が再びオンプレミスへ戻す「クラウド回帰」という現象が注目されています。その背景には、円安によるクラウド利用料の高騰や、データ転送量が増大したことによる従量課金コストの爆発、さらには「結局、自社で運用した方が安く済む」というTCO(総保有コスト)の再評価があります。

製造業・金融・医療:オンプレミスが最適解となる業界ケーススタディ

  • 製造業: 工場内の生産ラインをリアルタイムで制御し、機密性の高い設計データを扱うため、低遅延かつセキュアなオンプレミスが選ばれます。

  • 金融・医療: 顧客の個人情報や電子カルテなど、法律や規制で厳格なデータ管理が求められるため、物理的にデータを手元に置くニーズが根強いです。

現実的なアプローチ「ハイブリッドクラウド」の活用と連携方法

現在は「どちらか一方」ではなく、オンプレミスとクラウドのいいとこ取りをする「ハイブリッドクラウド」が主流です。

  • オンプレミス側: 機密性の高いデータや、工場制御などリアルタイム性が求められるシステム。

  • クラウド側: 外部との連携が必要なWebサイトや、一時的に高い処理能力が必要な分析業務。 このように役割を分担することで、セキュリティと利便性を両立できます。


導入・移行を成功させるための実践チェックリスト

要件定義のポイント:何を残し、何を移行するか?

導入・移行を検討する際は、以下のチェックリストを活用して、システムの仕分けを行ってください。

判断基準 オンプレミスが向いている場合 クラウドが向いている場合
セキュリティ 外部に1データも出したくない 事業者のセキュリティレベルを信頼する
システム連携 工場内の物理機械と直結する 外部Webサービスと頻繁に連携する
運用リソース 自社に専任のIT担当者がいる 運用を極力アウトソースしたい
  • [ ] データの機密性: クラウドに預けても社内規定に反しないか?

  • [ ] ネットワーク遅延: 現場の作業に支障が出るほどの遅延が発生しないか?

  • [ ] 連携システム: 既存の古いシステムや物理的な機械との連携が必要か?

  • [ ] 運用体制: 自社に保守管理ができる人材が揃っているか?

ベンダー選定の基準:NTTPCや国産ソリューションの比較ポイント

海外クラウドベンダーだけでなく、日本のインフラ環境に精通した国産ソリューション(NTTPCのASPIREなど)を検討するのも一つの手です。国産ベンダーは、日本の法制度や商習慣に合わせたサポートが期待でき、ネットワークを含めたトータルな提案を受けやすいメリットがあります。

TCO(総保有コスト)で比較する、5年・10年後のコストシミュレーション

初期費用だけで判断せず、5〜7年間の総保有コスト(TCO)で比較しましょう。

  • オンプレミス: 導入費 + 保守費 + 電気代 + 人件費 + リプレース費用

  • クラウド: 月額費用 + データ転送量 + 通信回線代 + 設定・管理工数 これらを並べて比較することで、長期的にどちらが自社の利益に貢献するかが明確になります。


まとめ:自社に最適なインフラ選びと「鉄人くん」の活用

本記事では、オンプレミスの定義からメリット・デメリット、そして現代における再評価の理由について解説しました。クラウドが一般的になった今だからこそ、セキュリティ、カスタマイズ性、そして「クラウド回帰」に代表されるコストの安定性というオンプレミスの強みが改めて注目されています。

特に製造現場において、「現場のデータを確実に、安全に、そして遅延なく管理したい」というニーズには、オンプレミスの環境が非常に適しています。しかし、その一方で「自社でサーバーを管理・運用する人材がいない」という課題を抱えている企業も多いでしょう。

そこで、生産管理のデジタル化を検討されている皆様に、クラウド型生産管理システム「鉄人くん」をおすすめします。

「鉄人くん」は、製造現場のニーズに合わせて、柔軟に構築・運用が可能なシステムです。具体的な現場の効率化について「鉄人くん」が解決のサポートをいたします。まずは貴社の現場の悩みをお聞かせください。

また、トライアルキャンペーンも実施していますので、生産管理システムの導入を検討してみたいとお考えの方は、こちらからお気軽にお問合せ・ご相談ください。


参考文献・出典

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